今回はiPadがパソコンの代わりになるのかについてお話ししたいと思います。ちなみに私はWindows PC、iPad Pro 10.5とSmart Keyboard、 Apple Pencilという環境です。
パソコンとキーボード+iPadの比較を前提とします。
目次
そもそもパソコンで何ができるのか
人によってパソコンで行う作業は違うと思いますが、多くの人が行なっているであろう作業を次に示します。
- ネットサーフィン
- Word、Excel、パワポなどのオフィス系ソフト
- 画像やドキュメントなどのファイル管理
- 動画、画像編集
- 3DCADやプログラミング、解析などの専門分野における作業
このほかにもあるかもしれませんが、これらがほとんどを占めていると仮定して次の話に進みます。
それぞれ考察してみる
- ネットサーフィン
iPadでも十分できます。パソコンのメリットとしては画面が少し大きいことと、外部ディスプレイに接続できることくらい。逆にiPadのメリットとしては、軽くてどこでもサクッと起動できる、セルラーモデルならWi-Fiが不要なことでしょうか。
- オフィス系ソフト
iOSにはMacと同様、Apple純正ソフトのiWorkシリーズ、OfficeでいうところのWord、Excel、PoawerPointなどに相当するソフトが無料でインストール可能です。
できることとしてはOfficeより劣りますが、正直必要十分です。また互換性もある程度確保されています。
職場や大学でOffice形式のファイル提出が強制されているとかでなければこれらで済ませてしまうこともできます。
また月額制のサブスクリプションにはなりますが、Office365に登録すればiPadでもモバイル版のOfficeを利用できます。
- 画像やドキュメントなどのファイル管理
iPadやiPhoneには「ファイル」プリがプリインストールされており、パソコンのようにファイルを管理することが可能です。当然画像やPDFも管理できます。
- 動画、画像編集
この辺になると厳しくなってきます。簡単な動画編集、画像編集などはiPad向けのアプリも出回っていますが、エフェクトを多用した複雑な動画編集や、多数の画像を一括編集するといった場合はパソコンの方がソフト面でもハード面でも適していると言えます。
- 各種専門的なソフトを用いた作業
これも少し厳しいです。用途を限定すればiPadも少しづつ対応してきていますが、まだまだパソコンには追いつけない状態です。
たとえばプログラミングをしたいと思ったら、プログラムを書いて、コンパイルして、実行してみる(デバッグする)という作業が必要になりますが、iPadにはそれらが整った環境(統合開発環境)がほとんどありません。Pythonに限ればPyteonistaというアプリが1200円でリリースされていますが、パソコンなら無料なのでこれもうーんって感じです。
また理系の学生で物理現象の解析などをしようと思ったら、Windowsなら無料のScilabというソフトがありますが、iPadにはその互換アプリがありません。
専門的な作業ほどiPadには厳しいと言えます。
iPadの真価とは
私はiPadは完全にパソコンの競合ではなく、一部パソコンの機能を取り入れた、まったく別のデバイスだと考えています。
大量の資料を持ち歩きたい時、それらを素早く確認したい時にさっと取り出せるのはiPadです。またApple Pencilを使えば資料にメモもできます。また相手に何か伝えたい時、手書きの図で説明することもできます。
そのため、iPadはApple Pencilと組み合わせることでパソコンの拡張デバイスとして真価を発揮すると私は考えています。
例えば、イラストやマンガを書くといった創作作業は、パソコン+ペンタブからiPad+Apple Pencilへシフトする動きもあります。
結論:完全な置き換えは無理だが用途によって可能
以上より、専門的な作業ほどパソコンの代わりにするのは無理だと言えます。ただし、ライトユーザーなら一通りのことをこなせるiPadがあればパソコンは全く不要となります。それどころか、手書きデバイスとしてパソコンとは異なった体験をもたらしてくれます。また、2019年秋のアップデートで公開されるiPad OSではSDカードの読み取りやマウスの対応など、さらにパソコンに近く進化する予定です。またこのアップデートから、iPadをMacbookの補助デバイス、液晶タブレットとして利用が可能になります。このことから、AppleがiPadをパソコンの互換ではなくパソコンの拡張デバイスとして位置付けていることが伺えます。そのため、あらゆることをこなしたいならパソコン、ライトユーザーならiPad、ヘビーユーザーでも作業環境を快適にしたいならPCとiPadの2台持ちをする価値も十分にあるという結論で記事を締めくくりたいと思います。