時期MacBook Proの発売が近づいてきましたが、CPUについては、ARMを採用するだとか、AMDを採用するだとか、色々と噂が尽きません。
そこで今回は今後のMacBook Proにこれらの採用があり得るのかについて考察してみます。
目次
ARMアーキテクチャ採用はある?
現在Appleは自社でARMアーキテクチャのチップを開発する能力を持っており、みなさんがよく知っているAチップです。
Geekbench 5のマルチコアスコアで単純比較すると、
iPad Pro 3 12.9インチ: 4606
MacBook Pro 13インチ(2019, i7-8569U): 4233
iPad ProがMacBook Proを超えている状況です(編集時)。
まさかモバイル向けチップがラップトップ向けチップを上回る日が来るとは思いもしませんでしたが、もしAppleがAチップで培った技術をフル投入すれば、性能上は文句なしのチップができると予想できます。
しかしここで問題となるのは、今まで搭載してきたIntel製CPUはx86アーキテクチャであり、ARMアーキテクチャとは全く別物です。最近Surface Pro XというARMアーキテクチャCPU搭載ラップトップが発売されましたが、エミュレーションでアプリを動作させているため64bitアプリケーションが実行できないなどの制約があり、完全な互換にはなっていない状況です。
これからも分かる通り、もしAppleがMacBook ProにARMアーキテクチャのCPUを搭載する場合、エミュレーションではなく、ネイティブ動作するように、Mac OSを1から作り変える必要があります。
この作業はかなりの時間を要するため、2020年モデルで採用される可能性は低いですが、現実味はあると考えています。
AMD製CPU採用はある?
2019年はAMD大躍進の年でした。供給の問題を抱えもたついていたIntelを尻目に、コスパの良い製品を次々に発表し、Intelにとっての脅威となっています。
まだ市場に出回っていませんが、ラップトップ向けRyzen4000シリーズがつい最近発表され、Intelの第10世代を大きく上回る性能をアピールしました。
IntelよりAMDの方がコスパがよく動作も問題ないとなれば、Appleにとっても十分に候補に上がることが予想されます。同じ部品コストでより高い性能が実現できるわけですから。
しかしまたここで問題があります。わたしが着目したのはThunderbolt 3です。
わからない方のために一応説明しておくと、ThunderboltはAppleとIntelが共同開発した高速データ伝送技術です。USB Type-Cコネクタを採用し、現在のMacBook Proをはじめ、多くのWindows PCにも普及しました。Appleは今後も間違いなくThunderboltを採用すると考えられます。
これは前述のARMにも言えることですが、Intelの第10世代CPUにはこのThunderbolt 3のコントローラが内蔵されているため、他を選ぶとコントローラを購入して実装するコスト、スペースが必要になります。
供給問題が起こるたびにIntelに振り回されるのは、Appleにとって快くなく、できれば他に移行したいと考えているはずです。ただでさえギッチギチのMacBook Proのスペースを犠牲にしてでも他をとるか、それともIntelを選ぶか、5分5分だと考えています。
まとめ
Appleにとって脱Intelは十分にモチベーションもあり、環境も整ってきました。
ただしいろいろと問題もあり、それが解決できるかはApple次第です。
個人的には早くARMを採用して、Appleの完全な自社生産に一歩近づいてほしいと思っていますが、ARMについてはまだ時間がかかりそうです。
AMDについては2020年モデルの一部に採用される可能性は十分にあるといえるでしょう。