皆さんがLINEやTwitter、インスタグラムなどで設定しているプロフィール画像(トプ画)、それ、違法行為かもしれませんよ。
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自分が撮った写真以外は全て違法!
少し言いすぎました。
厳密に言えば自分が撮った写真、自分で描いたイラスト、著作権者(撮った人、描いた人)の許可を得た画像等以外をSNS等に投稿する行為は全て違法となります。
では一体トプ画を設定する際にどんな法律が絡んでくるのでしょうか。
「公衆送信権」とは?
著作権法には次のような記載があります。
第二十三条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利専有する。
これは要するに、「写真やイラストなどは、撮った人、描いた人のみが周囲に広める権利を持つ」ということです。
SNS等で他人が著作権を持つ画像を投稿する行為はもちろんのこと、それらの画像を「トプ画」に設定し、誰でも自由に閲覧できる状態にする行為は「自動公衆送信権」の侵害となる可能性があります。
特にアイドルの写真は危険!
Twitterではアイドルのファンと見られるアカウントが「推し」と呼ばれる、自分が応援しているアイドルの写真を勝手に編集、投稿したり、トプ画に設定している例がたくさん見られます。
しかし、これは個人のイラスト等と比べるとさらに悪質性が高いといえます。なぜならアイドルの写真は使用するだけで多額の著作権料が発生する典型例で、テレビ番組などで一瞬使用するだけでもかなりの金額が動いているためです。
「男性アイドルが多数所属する某事務所」のアイドルの画像だと一体どれほどの金額なのか…見当もつきませんね。
(なおアイドルの画像を勝手にコラージュなどして編集すると「著作者人格権」に含まれる「同一性保持権」の侵害となる可能性もあります。)
自分で撮った写真でも、著作物を主にした写真は違法!
仮に自分で撮った写真でも、被写体が著作物としての性質が強いものの場合、その写真自体も被写体の著作権の保護対象となります。
例えば絵画などの芸術作品などです。他人が描いた絵を大きく写した写真を撮り、それを使用する行為は違法です。またディズニーなどのキャラクターにも注意が必要です。(この記事では著作権の有効年数には言及しません)
テレビの録画を公開するのも違法!
皆さんが普段見ているテレビも立派な「著作物」となり、著作権保護の対象となります。
最近TwitterやYoutubeなどでテレビを録画したものの投稿が見られますが、これらは特に著作権侵害で訴えられる可能性が高いです。
少し考えればわかることですが、テレビ番組製作者は出演者や機材に莫大な金額をかけて番組を作り、また過去の番組は有料のサービスで公開して収益を得ています。
インターネット上にテレビ番組等を投稿すれば、誰でも無料で閲覧できるようになり、テレビ局に実際に損害を与え、かなり悪質性が高いと言えます。
著作権侵害は重罪!!
こんなに身近なところで関わってくる著作権法ですが、著作権法違反は重罪です。罰則は次のように定められています。
第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者は、(中略)十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
これを見れば著作権法侵害がいかに重罪かわかるでしょうか。
とはいえ、今まで個人がトプ画を違法に設定したり、イラストを違法に公開したりしたことで有罪となった例はありません。(私が調べた範囲ではありませんでした。)
なぜなら「割に合わない」からです。またこういった行為は著作物のファンが行うことが多く、著作権者側も黙認しているのが現状です。しかし今後ますますインターネット上のコンテンツが充実するに従って、こういった個人による著作権侵害が見せしめとして訴えられる日も近いと思われます。
私の予想としては上述したとおり、最初は「テレビ番組」や「アイドルの画像」の違法使用だと考えています。テレビ局やアイドル事務所はたくさんお金を持っているからです。
著作権侵害を未然に防ぐためには
著作権法侵害を防ぐためには以下のことに気をつけることが必要です。
- 使用するコンテンツの権利者は誰か、常に意識する
- 自分に権利のないコンテンツは使用しない
- 著作権フリーの画像などを使用する(利用可能範囲に注意)
要するに自分に権利がある画像なら問題ないわけです。
なお著作権フリーの画像であっても、著作権を放棄したわけではなく、あくまで無料で使用できるだけ、商用利用は不可など、さまざまな制限がある場合があるので注意しましょう。
身の回りで著作権を侵害していそうな人がいれば、ぜひそっと教えてあげてください。
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(著作権法が実際にどのように定められているのか気になる方は、「e-Gov法令検索 著作権」と検索することで全文を参照することができます。)
(私は法律の専門家ではありません。この記事はe-Gov法令検索の「著作権法」や、弁理士の方のお話を参考にして作成しました。私はこの記事によるいかなる損害についても、この責任は負いません。)